シン・ツチダ

少し前に入手した、『シン・ツチダ』。 群馬県は利根郡川場村にある『土田酒造 株式会社』の一献です。

こちらもまた、せっかく群馬県を訪れたので、と立ち寄って入手してきた日本酒。 ただ、特異な1本でもあります。 何せ、「群馬の食用米をできるだけ磨かずにおいしい酒を造っていきたい」という方針で作られているのですから。 全国的に見ても、そういったアプローチをしている酒蔵はまだかなり稀少なので、この機会は逃したくなかったのです。

そして、さらに蔵内酵母の効果はあれども敢えての酵母添加はしていないということもまた、特筆すべきポイント。 コメのふくよかな旨味が香りでも感じられ、しっかりとした質感の味わいなのですが、これがその、食用米の90%精米で酵母無添加の結果なのかと、明確な特徴を印象付けられます。 ただ、開封後の変化も結構著しくて、興味深くもありながら油断のできない一献。

 

しかしまぁ、昨今のコメの高騰化や酒米から食用米への製造変更等、市場の動向も不規則な現在においては、こういった新しいアプローチの酒造りは然るべきものでもあり、今後はさらに広がっていくのではないかと思います。 日本酒や日本料理が世界的な注目を集めている今、唎酒師としては、変化に遅れず、一層に幅広く知り、飲み、そして紹介をしていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:シン・ツチダ

BRAND:土田シリーズ

TYPE:—

MATERIALS:米・米麹

RICE VARIETY:群馬県産食用米

POLISHING RATIO:90%

ALCOHOL CONTENT:16°


≪LINKS≫

土田酒造 株式会社

大雪渓 純米吟醸 D 雄町

少し前に入手した、『大雪渓 純米吟醸 D 雄町』。 長野県は北安曇郡池田町にある『大雪渓酒造㈱』の一献で、長野県産の『雄町』を使用した日本酒です。

飲み口は柔らかく、明らかに甘いのですが、すぐにしっかりとした酸味が覆い被さってきます。 瑞々しく、爽やかで心地の良い一献に仕上がっていて、キレはコメの旨味に苦味が重なってくる。 このアルトなトーンで鼻に抜け、拡がりを感じさせるのは『雄町』であるが故でしょうか。 背伸びをせず地に足を付けながらも、目線はどこか脇を向いている。 そんなシャイな一面を覗かせる、フレッシュな味わいです。

そして、このところIWC(International Wine Challange)でも評価の高い酒蔵のひとつですが、この純米吟醸は2025年の純米吟醸酒部門のトロフィー受賞酒、つまり純米吟醸酒部門のチャンピオンです。 ちょうど受賞間もないタイミングで酒蔵の会長にお会いしたのですが、「それでもチャンピオン(チャンピオン・サケ)にはなれなかったので、まだまだです」と謙虚な一言。 いやはや、頭が下がります。

 

そう、長野県へ来てから、いくつかの酒蔵の方と繋がりもでき、おもしろい話や酒造りの難しさを伺う機会も出てきました。 日本酒や日本料理が世界的な注目を集めている今、唎酒師としては、自分の好みを追求するだけではなく、幅広く知り、飲み、そして紹介をしていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:大雪渓 純米吟醸 D 雄町

BRAND:D(Drinkers’ Delight Daisekkei)

TYPE:純米吟醸

MATERIALS:米・米麹

RICE VARIETY:長野県産雄町

POLISHING RATIO:55%

ALCOHOL CONTENT:15°


≪LINKS≫

大雪渓酒造 株式会社

千徳 吟醸 はなかぐら

少し前に入手した、『千徳 吟醸 はなかぐら』。 宮崎県は延岡市にある『千徳酒造㈱』の一献で、宮崎県産の酒造好適米『はなかぐら』を使用した日本酒です。

吟醸香は程良く華やかで、わずかに酸を感じさせます。 飲み口自体はスッキリと軽やかで、低温でじっくりと醸されているために、クリアでフレッシュな味わいに仕上がっています。 醸造アルコールを添加しているものの癖は少ない印象ですが、キレはコメの旨味に苦味が重なってくるので、少し特徴的かもしれません。

そうそう、宮崎県に日本酒の酒蔵って、あまりピンときませんよね? 九州全体としても、日本酒よりも焼酎の印象が強いのですが、『千徳酒造㈱』は宮崎県唯一の清酒専門の酒蔵だそうです。 日本酒を醸造している酒蔵自体も県内に2蔵のみだそうで、極めて貴重な存在ですよね。

 

この日本酒、職場のイベントに絡めて触れることになったのですが、大変恐縮ながら、『はなかぐら』という酒造好適米の存在も初めて知りました。 日本酒や日本料理が世界的な注目を集めている今、唎酒師としてはやはり、小さくまとまることなく、幅広く紹介をしていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:千徳 吟醸 はなかぐら

BRAND:千徳

TYPE:吟醸

MATERIALS:米・米麹・醸造アルコール

RICE VARIETY:宮崎県産はなかぐら

POLISHING RATIO:60%

ALCOHOL CONTENT:15°


≪LINKS≫

千徳酒造 株式会社

作 純米 玄乃智

少し前に入手した、『作 純米 玄乃智』。 三重県は鈴鹿市にある『清水清三郎商店㈱』の一献で、国産酒造好適米をブレンドした日本酒です。

吟醸香は穏やかで、爽やかさを湛えています。 若い青リンゴを思わせて、とてもきれいな味わいを予感させてくれるのですが、その予感通りに飲み口は軽やかで柔らかく、コメの旨味がふんわりと拡がる。 そして、酸味とわずかな苦味を感じさせた後にスッとキレていく様は、とても心地良いのです。

なかなかね、単一の酒米だけではどうにも演出しきれない味はあるもので、このクリアなのに味わいに満ちた点や、コメの旨味を感じさせるもののくどみ無く爽やかにキレていく点は、とても印象的。 そして、この2点に伴う充実感が、この一献の最大の魅力かもしれません。

 

そう、この日本酒に関しては酒米も酵母も詳細は公にされていません。 詮索したくもなるのですが、公にされていることでの先入観も確かに発生してしまうもので、どちらが良いとは言えませんよね。 日本酒や日本料理が世界的な注目を集めている今、唎酒師としてはやはり、先入観無く紹介をしていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:作 純米 玄乃智

BRAND:作

TYPE:純米

MATERIALS:米・米麹

RICE VARIETY:—

POLISHING RATIO:60%

ALCOHOL CONTENT:15°


≪LINKS≫

清水清三郎商店 株式会社

こんな夜に…山椒魚 純米吟醸

少し前に入手した、『こんな夜に…山椒魚 純米吟醸』。 長野県は伊那市高遠町にある『㈱仙醸』の一献で、長野県の酒造好適米『金紋錦』を全量使用している日本酒です。

吟醸香は穏やかで、果実味を帯びています。 飲み口は比較的穏やかですが、即座にインパクトを備えた旨味が押し寄せてくる感じ。 甘味や酸味、苦味との調和もとても良くて、熟成期間を置いているが故の効果を感じさせてくれます。 ふくよかな広がりを持った味わいは、確かに地に足のついたしっかりとしたもの。

『金紋錦』はそもそも、栽培量の少なさと栽培の困難さによって希少価値もあり、“幻の酒米”と評されることもある酒米です。 それ故に、敢えて付加価値として香り高い日本酒に仕立てられることも多いそうですが、この酒米の本領は熟成によって引き出されるコクにあると言われています。 この一献は、その『金紋錦』の魅力を見事に引き出し、唸らされるものでした。

 

長野県には『美山錦』・『ひとごこち』のツートップに加え、この『金紋錦』と『山恵錦』という酒造好適米が代表格として存在します。 酒米だけで味わいが左右されるとは言い切れませんし、最終的には味覚の感じ方は人ぞれぞれですが、日本酒や日本料理が世界的な注目を集めている今、唎酒師としてはやはり、特性を踏まえた紹介をしていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:こんな夜に…山椒魚 純米吟醸

BRAND:こんな夜に…(黒松仙醸)

TYPE:純米吟醸

MATERIALS:米・米麹

RICE VARIETY:長野県木島平産金紋錦

POLISHING RATIO:50%

ALCOHOL CONTENT:16°


≪LINKS≫

株式会社 仙醸