澤の花 純米大吟醸 “満ち月”

少し前に入手した、『澤の花 純米大吟醸 “満ち月”』。 長野県は佐久市野沢にある『伴野醸造㈱』の一献で、長野県の酒造好適米『美山錦』を全量使用している秋酒です。

とても穏やかな吟醸香はほのかに甘く白桃を思わせてくれます。 飲み口はとても軽やかに感じるのですが、そこからうまみが膨らみ、わずかに酸味も苦みも感じさせながらきれいにキレていきます。 それも、勢いのまま広がって萎んでいくのではなく、押しては寄せる波のように程良いバランスで広がって収束していく印象。

決して強い印象ではなく、穏やかに、そして艶やかに広がり、それを保ちながらゆっくりと収束していく様は、上質なオーケストラの旋律のような見事さです。 飲みやすさとうまみの印象、そして上品なキレは、とても心地良く、秋夜のひとときを特別なものに昇華させてくれます。

 

水や磨きに由来する味わいのクリアさや、『美山錦』ならではの香りとフルーティーさ、そして、それを引き出す酵母。 最終的には味覚の感じ方は人ぞれぞれですが、日本酒や日本料理が世界的な注目を集めている今、唎酒師としてはやはり、特性を踏まえた紹介をしていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:澤の花 純米大吟醸 “満ち月”

BRAND:澤の花

TYPE:純米大吟醸

MATERIALS:米・米麹

RICE VARIETY:長野県産美山錦

POLISHING RATIO:50%

ALCOHOL CONTENT:16°


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伴野醸造 株式会社

真澄 山廃純米吟醸 ひやおろし

少し前に入手した、『真澄 山廃純米吟醸 ひやおろし』。 長野県は諏訪市元町にある『宮坂醸造㈱』の一献で、長野県の酒造好適米『美山錦』に酒造好適米の王とも呼ばれる『山田錦』を加えて醸されています。

吟醸香からして少し複雑な印象があって、バナナやメロンの熟した甘味も感じるし、スダチのような爽快な酸味も感じるのです。 穏やかながら複雑な吟醸香に、ついつい期待値も上がってしまうのですが、飲み口は以外にもやや軽く、華やかさが勝る。 そこから甘味と酸味が折り重なって広がり、まろやかなうまみが顔を出して五味のバランスがピークに達すると「ぬぅん」と少しの余韻を残してキレていく。

強過ぎず、されど確かなエネルギーを感じさせてくれるのは、山廃かつひやおろしという組み合わせの妙かもしれません。 口に含んだ後からキレまでの感覚を放射状に広がるようなイメージで評するのが一般的なのかもしれませんが、個人的にはフレーズの後半というか、トーンの明るいところから最後の主音に向けて拡散したエネルギーが集約されていくような印象です。

 

口に含んだ瞬間のインパクトで「あ、おいしい」というのではなく、喉に通した後につい「旨いねぇ」とため息とともに言葉が漏れるような、秋夜にしみじみと味わいたくなる日本酒です。 こういう味覚の感じ方は人ぞれぞれですが、日本酒や日本料理が世界的な注目を集めている今、唎酒師としてはより少し、細かく伝えていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:真澄 山廃純米吟醸 ひやおろし

BRAND:真澄

TYPE:山廃純米吟醸酒

MATERIALS:米・米麹

RICE VARIETY:長野県産美山錦・兵庫県加東市山国地区産山田錦

POLISHING RATIO:55%

ALCOHOL CONTENT:15°


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宮坂醸造 株式会社

善哉 純米吟醸 山恵錦 うすにごり 生酒

少し前に入手した、『善哉 純米吟醸 山恵錦 うすにごり 生酒』。 長野県は、松本市大手にある『善哉酒造㈱』の一献で、比較的登場からの年月が浅い酒造好適米『山恵錦』を使用しています。

果実みを帯びた甘い吟醸香がスッと鼻腔を抜け、飲み口はスッキリとした印象。 うすにごりならではの酸味も甘味と心地良いバランスを保ち、そしてきれいに消えていきます。 『山恵錦』は、まだまだ開発途上と言われていて狙い通りの味が実現できるかはなかなかに難しい酒米と言われているのですが、このところ、往々にしてこのように華やかさと甘味を持った日本酒となっているうように感じます。

かといって、こちらは甘過ぎず、そして酸味が勝つわけでもなく、本当にバランスが良いのです。 このバランスはそのまま飲みやすさに繋がっているのですが、この酒造の酒造りに欠かせないのが、銘水『女鳥羽の泉』。 クリアでやわらかい水質の湧水で、その水質あってこそ、コメの特性や麹と酵母の効果が際立っていることは、確かなようです。

 

そうそう、実はこの酒造は事業継承を行ったばかり。 旧体制での最後の一献がこちらだということで、今回は敢えて購入したのです。 今住んでいる都市の酒蔵の移ろいに想いを馳せながら・・・・・・。 何だかんだ言っても、制度として事業継承以外での新規参入は不可能というのが、日本国内での日本酒醸造事情です。 日本酒や日本料理が世界的な注目を集めている今こそ、唎酒師としては事情を踏まえた上での寄り添い方を講じていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:善哉 純米吟醸 山恵錦 うすにごり 生酒

BRAND:善哉

TYPE:純米吟醸・生酒

MATERIALS:米・米麹

RICE VARIETY:長野県産山恵錦

POLISHING RATIO:55%

ALCOHOL CONTENT:15°


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善哉酒造 株式会社

黒松仙醸 純米大吟醸 ひやしざけ “夏燕”

少し前に入手して飲んでいた、『黒松仙醸 純米大吟醸 ひやしざけ “夏燕”』。 長野県伊那市高遠町にある『㈱仙醸』の一献で、特約店のみに卸される“遊び酒”です。 ブルーの瓶に特徴的なイラストが描かれていて、ついつい目を奪われてしまう。

信州伊那谷産のひとごこちを使用しているために、コメの甘味の中に少し酸味が演出され、スッキリと爽やかに仕立てられています。 この地域では春から初夏に季節が移ろう頃に燕が飛び交うため、豊作を祝うこの名が冠されているのだとか。

いわゆる“夏酒”に含まれる一献ですが、大吟醸ならではの舌触りのやわらかさ、酒質の軽やかさはありつつも、吟醸香は穏やか。 フレッシュな青りんご思わせる含み香と味わいは、例年よりも気温の高まりが早い今時分には、とても心地良く感じます。

 

徐々にですが、既に定着した感のある“春酒”に対し、分類が始まった感のある“夏酒”。 永らく四季があると言われていながら四季に分けることに抵抗している一面も感じていたのですが、個人的には四季に合わせて“春酒”・“夏酒”・“秋酒”・“冬酒”と分類(4つというよりは8~12)することも愉しみのひとつだと思います。 世界的な注目を集めている今こそ、唎酒師としては様々なアプローチをしていきたいですね♪


≪SAKE INFO.≫

NAME:黒松仙醸 純米大吟醸 ひやしざけ “夏燕”

BRAND:黒松仙醸

TYPE:純米大吟醸

MATERIALS:米・米麹

RICE VARIETY:ひとごこち

POLISHING RATIO:40%

ALCOHOL CONTENT:14°


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株式会社 仙醸